
3&Dとは?
NBAを見ていると、「3&D」という言葉を耳にすることがあります。
3&Dとは、簡単に言えば、
「スリーポイントを決められて、ディフェンスでも貢献できる選手」
のことです。
「3」はスリーポイント。
「D」はディフェンス。
名前だけを見ると非常にシンプルですが、実際の試合で3&Dの選手が担っている仕事は、それだけではありません。
スター選手が攻めるためのスペースを作ったり、相手のエースを守ったり。
ボールをほとんど持っていない時間にも、チームの戦い方へ大きな影響を与えています。

NBAの見方 #4|3&Dとは? スターを支える超重要ロールを解説
なぜ3&Dにはスリーポイントが必要なのか?
例えば、チームのスター選手が1対1からドライブを仕掛けたとします。
ディフェンスとしては、当然その選手を止めたいところです。
そこで別のディフェンダーがヘルプに向かいます。
しかし、そのディフェンダーが守っている選手が高確率でスリーポイントを決められる選手だったらどうでしょうか。
ヘルプに行けば、外にいる選手がフリーになります。
逆に外の選手から離れなければ、スターは1対1を続けることができます。
つまり3&Dの選手は、自分がシュートを打っていない時間にも、外にいるだけでディフェンスへプレッシャーをかけています。
これが、3&Dがスター選手と相性の良い理由のひとつです。

スペーシングも3&Dの仕事
NBAでは、選手同士の距離を保ちながら攻撃する「スペーシング」が非常に重要です。
ペイント周辺に選手が集まりすぎれば、スターがドライブするスペースはなくなります。
一方、外にシュートを決められる選手がいれば、ディフェンスも簡単にはゴール下へ集まれません。
3&Dを見るときは、シュートを決めたかどうかだけではなく、
「その選手がどこに立っているのか」
にも注目すると、チームへの貢献が見えやすくなります。
なぜ3&Dにはディフェンスが必要なのか?
スター選手は、オフェンスで大きな仕事を任されています。
ボールを運び、1対1を仕掛け、ピック&ロールを使い、最後のシュートまで担当する。
それだけでも大きな負担です。
そこへ毎ポゼッション、相手のエースを守る仕事まで加われば、さらに負担は大きくなります。
そこで重要になるのが3&Dです。
相手の危険なスコアラーを3&Dの選手が担当することで、スター選手の守備負担を減らすことができます。

ただし、「スターは守備をしなくてもいい」という意味ではありません。
チームの中で役割を分担し、特に難しいマッチアップを得意な選手へ任せる。
それによってスターが、より大きな役割を持つオフェンスへ力を使いやすくなるということです。
ダニー・グリーン|どんなスターの横にもフィットする3&D
3&Dを代表する選手として紹介したいのが、ダニー・グリーンです。
ダニー・グリーンは、
2014年のサンアントニオ・スパーズ。
2019年のトロント・ラプターズ。
2020年のロサンゼルス・レイカーズ。
3つの異なるチームでNBAチャンピオンを経験しています。

一緒にプレーしたスターもさまざまです。
ティム・ダンカンやトニー・パーカー、カワイ・レナード。
そしてレブロン・ジェームズやアンソニー・デイビス。
チームもスターも変わっています。
それでもダニー・グリーンが求められた理由は、自分が長時間ボールを持たなくても価値を出せることにありました。
外ではキャッチ&シュート。
守備では相手のガードやウイングを担当。
主役が変わっても、その横にフィットできる。
ダニー・グリーンは、3&Dの基本形を非常に分かりやすく示している選手です。
P.J.タッカー|ハーデンの1対1を助けた3&D
もう一人分かりやすい例が、ヒューストン・ロケッツ時代のP.J.タッカーです。
当時のロケッツでは、ジェームズ・ハーデンがボールを持って1対1を仕掛ける場面が数多くありました。
そのとき、タッカーがよく立っていたのがコーナーです。
ハーデンへヘルプに向かえば、タッカーがフリーになる。
タッカーを警戒してコーナーに残れば、ハーデンが1対1を続けやすくなる。
タッカーは、自分がボールを持っていなくても、ハーデンの攻撃を助けていました。

ディフェンスでは大型選手まで担当
タッカーの特徴は、スリーポイントだけではありません。
強いフィジカルを生かし、自分よりサイズのあるスターを担当することもありました。
ガードだけではなく、フォワードやビッグマンまで守る。
この守備面での汎用性も、タッカーが多くのチームから必要とされた理由のひとつです。
OG・アヌノビー|ブランソンを支える現代型3&D
現代の3&Dを考えるうえで紹介したいのが、OG・アヌノビーです。
ニューヨーク・ニックスでは、ジェイレン・ブランソンがオフェンスの中心を担っています。
一方で、相手の危険な選手を守る仕事では、アヌノビーが大きな役割を担います。
ブランソンがオフェンスで力を発揮しやすくなるように、難しいマッチアップを引き受ける。
これも3&Dがスターを支える方法のひとつです。

さらに現在のアヌノビーは、外からシュートを決めるだけではありません。
カット。
トランジション。
ドライブ。
フィニッシュ。
3&Dを土台にしながら、オフェンスでも担当できる仕事を広げています。
「守れて、スリーを決める」で終わるのではなく、そこからさらに役割を広げていく。
そういう意味でも、現代型3&Dの分かりやすい例です。
同じ3&Dでも役割は違う
ここまで紹介した3人は、全員3&Dと呼べるタイプの選手です。
しかし、チームへの貢献方法は少しずつ違います。
ダニー・グリーンは、異なるスターやチームの横でも自分の役割を変えずにフィットするタイプ。
P.J.タッカーは、コーナーでスペースを作りながら、フィジカルを生かした守備でもスターを支えるタイプ。
OG・アヌノビーは、難しいマッチアップを担当しながら、自身のオフェンスでもより大きな役割を担えるタイプです。

大切なのは、
「3&Dなら全員同じ」
と考えないことです。
スターと同じ仕事をするのではなく、そのチーム、そのスターに必要な仕事をする。
そこにロールプレイヤーとしての価値があります。
NBAで3&Dを見るときのポイント
では、実際にNBAを見るときは、どこに注目すればいいのでしょうか。

どこに立っている?
まずオフェンスでは、スターがボールを持ったときに、その横を見てみてください。
3&Dの選手はコーナーやウイングにいることが多くあります。
そして、その選手を守っているディフェンダーがスターへヘルプに行けているのか。
ここを見ると、シュートを打っていなくてもスペーシングに貢献していることが分かります。
誰を守っている?
次はディフェンスです。
スティールやブロックだけを見るのではなく、
「相手のエースを誰が守っているのか」
に注目してみてください。
毎試合のように危険なスコアラーを任されているのであれば、それ自体がチームから守備力を評価されている証拠でもあります。
ボールを持っていない時間を見る
3&Dの価値は、ボールを持っている時間だけでは分かりません。
むしろ、ボールを持っていない時間を見ることが重要です。
どこに立っているのか。
誰を守っているのか。
スターが攻めるために、どんなスペースを作っているのか。
こうしたところを見ると、得点やアシストだけでは見えない仕事が見えてきます。
次の試合では、スターの「横」を見てみよう
NBAを見るとき、多くの場合はボールを持っているスターへ視線が向きます。
もちろん、それもNBA観戦の大きな楽しみです。
ただ、少しだけ視線を横へ動かしてみてください。

スターがドライブするとき、外で待っているのは誰なのか。
相手のエースを守っているのは誰なのか。
ボールを持っていないとき、その選手は何をしているのか。
そこを見ると、3&Dという役割の価値が見えてきます。
スリーポイント。
ディフェンス。
そして、スターがプレーしやすくなるための仕事。
次にNBAを見るときは、スターだけではなく、その「横」にいる選手にも注目してみてください。
そこには、その選手がコートに立っている理由があります。
最後に
NBAの見方シリーズの第4弾です。
3&Dとして活躍する選手は他にもたくさんいます。
ぜひ推しチームや注目の試合で、ボールを持っている人以外にも目線を向けてみてください。
3&D以外にも、そういった役割が色々あるので順次紹介して行きたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
ORVEOでは、NBAの歴史、戦術、チーム運営、サラリー、もしもの世界などを動画と記事で発信しています。
YouTubeチャンネルでは、ブログとは異なる映像形式のNBA分析・考察も公開しています。
過去のピックアップシリーズはこちらから
イースト:アトランタ・ホークス
ウエスト:メンフィス・グリズリーズ
2021-2022
イースト:シカゴ・ブルズ
ウエスト:ダラス・マーベリックス
2022-2023
イースト:トロント・ラプターズ
ウエスト:ミネソタ・ティンバーウルブズ
2023-2024
イースト:ミルウォーキー・バックス
ウエスト:フェニックス・サンズ
2024-2025
イースト:フィラデルフィア・76ers
ウエスト:サンアントニオ・スパーズ
2025-2026
イースト:デトロイト・ピストンズ
ウエスト:デンバー・ナゲッツ








2020-2021