リムプロテクターとは?|ブロックだけじゃないゴール下の守備を解説【NBAの見方 #5】




リムプロテクターとは?

NBAを見ていると、ゴール下で豪快なブロックが決まる場面があります。

相手のレイアップを叩き落とす。

シュートをリングまで届かせない。

こうしたプレーを見ると、

「リムプロテクター=ブロックが得意な選手」

というイメージを持つかもしれません。

しかし、リムプロテクターの価値は、ブロック数だけでは分かりません。

リムとは、バスケットのリングのこと。

リムプロテクターは、その名前の通り、ゴール付近を守る選手です。

相手がドライブしてきたときにゴール下で待ち構える。

味方が抜かれたときにはヘルプへ入る。

そして、簡単なシュートを打たせない。

こうした仕事を担当する選手が、リムプロテクターです。

NBAの見方 #5|リムプロテクターとは? ブロックだけじゃないゴール下の守備を解説

ブロック数だけでは分からない守備

リムプロテクターを見るときに覚えておきたいのが、

「ブロックが記録されなくても、守備は成功していることがある」

ということです。

例えば、ガードがディフェンダーを抜いてゴールへ向かったとします。

そのまま進めば、レイアップまで持っていけそうです。

しかし、その先にサイズのあるリムプロテクターがいる。

すると、ボールを持っている選手はプレーを変えることがあります。

そのままシュートへ行かず、途中で止まる。

フローターに切り替える。

難しい角度からシュートを打つ。

外にいる味方へパスを戻す。

このとき、リムプロテクターにはブロックもスティールも記録されません。

それでも、本来狙っていたシュートを打たせなかったのであれば、ディフェンスとしては成功しています。

相手の選択を変える

リムプロテクターは、シュートを打ったあとに止めるだけではありません。

シュートを打つ前から、相手の選択を変えることがあります。

ゴールへ向かっていた選手がリムプロテクターを見て、

フローターを選ぶ。

難しいシュートへ変える。

外へパスを出す。

場合によっては、ドライブそのものを諦めることもあります。

ここを見ると、スタッツには残りにくいリムプロテクターの価値が見えてきます。

タイソン・チャンドラー|ロールプレイヤーから見るリムプロテクター

以前の「NBAの見方 #3|ロールプレイヤーとは?」でも紹介したのが、タイソン・チャンドラーです。

2011年のダラス・マーベリックスで、チャンドラーは得点を量産する選手ではありませんでした。

しかし、ゴール下では非常に重要な仕事を担当していました。

相手がドライブしてくれば、その先で待ち構える。

味方が抜かれれば、後ろからカバーする。

そして、簡単なレイアップを打たせない。

ロールプレイヤーには、チームによってさまざまな仕事があります。

その中でも、ゴール下を守ることを大きな役割としている選手が、リムプロテクターです。

ルディ・ゴベア|「打たせない」守備

現代NBAを代表するリムプロテクターの一人が、ルディ・ゴベアです。

ゴベアは、ディフェンシブ・プレイヤー・オブ・ザ・イヤーを4度受賞しています。

ただ、ゴベアを見るときに注目したいのは、派手なブロックだけではありません。

例えば、相手のガードが最初のディフェンダーを抜いたとします。

そのままゴールへ向かえば、レイアップまで持っていけそうです。

しかし、その先にゴベアがいる。

すると、オフェンス側はそのままゴールへ向かわず、プレーを変えることがあります。

フローターを選ぶ。

途中で止まる。

外へパスを戻す。

ゴベア自身がボールに触れていなくても、その存在によって攻撃の選択が変わっています。

「ブロックする守備」だけではなく、

「そもそも打たせない守備」。

ゴベアは、このタイプのリムプロテクトを理解しやすい選手です。

ディケンベ・ムトンボ|シュートそのものを止める

歴史を代表するリムプロテクターとして紹介したいのが、ディケンベ・ムトンボです。

ムトンボもゴベアと同じく、ディフェンシブ・プレイヤー・オブ・ザ・イヤーを4度受賞しています。

ムトンボといえば、やはりブロックです。

ゴールへ入ってきた相手のシュートを叩き落とす。

そして、そのあとに見せるフィンガーワッグも有名になりました。

もちろん、リムプロテクトはブロックだけではありません。

それでも、

「ゴール下最後の壁になる」

「シュートそのものを止める」

というリムプロテクターの最も分かりやすい仕事を見るなら、ムトンボは最高の例の一人です。

チェット・ホルムグレン|広い範囲を守る現代型

若い世代から紹介したいのが、チェット・ホルムグレンです。

非常に長いリーチを持っていますが、ゴール下に立っているだけのビッグマンではありません。

外へ出てボールハンドラーへ対応する。

味方のカバーに入る。

そこからもう一度ゴール下へ戻る。

そして、最後の瞬間にシュートへ手を伸ばす。

現代NBAでは、スリーポイントシュートが増えています。

そのため、オフェンス側はビッグマンをゴールから遠ざけようとします。

リムプロテクターも、ただリングの近くに立っているだけでは守れません。

外へ出ながら、最後は再びゴール下へ戻る。

チェットを見ると、現代型のリムプロテクターがどれだけ広い範囲を守っているのかが分かります。

ウェンバンヤマという規格外の存在

そして、現在のNBAでリムプロテクターを語るなら、ビクター・ウェンバンヤマにも触れないわけにはいきません。

圧倒的な高さとリーチ。

さらに、そのサイズからは想像しにくい機動力を持っています。

ゴール下だけではなく、広い範囲からシュートへ手を伸ばすことができます。

さらに特徴的なのが、ウェンバンヤマを見たオフェンス側が、そのままゴールへ向かうことを諦める場面です。

ペイントへ入ったものの、ウェンバンヤマがいる。

そこで向きを変える。

外へパスを戻す。

場合によっては、シュートそのものを打たない。

こうしたプレーにも、リムプロテクターの価値が表れています。

チェットやウェンバンヤマのような選手を見ると、リムプロテクターという役割が、現代NBAでさらに広がっていることが分かります。

リムプロテクターを見るときのポイント

では、実際にNBAを見るときは、どこに注目すればいいのでしょうか。

ゴール下に誰がいる?

まず、相手がドライブを始めたときに、ボールだけではなくゴール下を見てみてください。

そこに誰がいるのか。

リムプロテクターがどの位置で待っているのか。

ここを見るだけでも、その後のプレーが少し分かりやすくなります。

ドライブした選手はどうした?

次に、ドライブした選手の判断を見ます。

そのままレイアップへ行ったのか。

途中で止まったのか。

外へパスを出したのか。

方向を変えたのか。

リムプロテクターがいることで、この選択が変わることがあります。

シュートは難しくなった?

シュートを打った場合も、入ったか外れたかだけを見る必要はありません。

本来ならレイアップを打てた場面で、フローターになっていないか。

体勢を崩したシュートになっていないか。

いつもよりリングから離れた場所から打っていないか。

ブロックしていなくても、相手のシュートを難しくしていれば、それも守備の成果です。

ブロックの「少し前」を見てみよう

リムプロテクターを見るとき、派手なブロックは分かりやすい見せ場です。

しかし、本当に面白いのは、その少し前かもしれません。

相手がゴールへ向かう。

その先にリムプロテクターがいる。

そして、その存在を見てプレーを変える。

シュートをやめる。

外へパスを出す。

難しいシュートに切り替える。

こうしたプレーでは、ボックススコアに何も記録されないことがあります。

それでも、相手が本来やりたかった攻撃をできなかったのであれば、ディフェンスはすでに仕事をしています。

次にNBAを見るときは、ボールを持っている選手だけではなく、

「その先でゴール下を守っているのは誰なのか」

にも注目してみてください。

ブロック数だけでは見えなかった、リムプロテクターの価値が見えてくるかもしれません。

最後に

NBAの見方シリーズの第5弾です。

ブロックというプレイ自体は、ウイングやガードのチェイスダウンブロックも好きなんですが、リムプロテクターのがっぷりよつなブロックも大好きです。

相手にシュートを打たせない動きは、ハイライトになりづらいので動画探すの大変でしたが、こういうシーンも試合中には触れられていたりするので、ぜひ注目してみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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